仙台高等裁判所 昭和28年(う)586号 判決
被告人は金員強取の目的で、原判示日時、手拭で覆面した上色眼鏡をかけ、刄渡十八糎の短刀を携えて原判示大坂元助方に侵入し、販売仕切票整理中の大坂健吉に対し右短刀を突付け、金員を強取しようとしたが、同人が泥棒々々と連呼して立上つてきたので、右短刀を振りかざして同人の右口角部等に斬りつけ、因て原判示の傷害を負わしめたが、金員強取の目的を遂げなかつたというのであつて、被告人は当時強盗の実行に着手しその実行の意図は右傷害の当時まで継続存在していたものであること明かであるから、被告人は財物強取の手段として右傷害に及んだものと認むべく、この点において論旨は既に理由がないばかりでなく、仮に所論のように被告人が財物強取の手段として右傷害を加えたものでなく、逮捕を免れるためであつたとしても、右傷害が強盗の機会においてなされたものである以上、強盗傷人罪の成立すべきことは前叙のとおりである。
(後略)